おかげさまで7期目を迎えました

 謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。昨年もお世話になり、誠にありがとうございました。異様な状況下ではありますが、おかげさまをもちまして本日1月21日(木・友引)、創立から7期目を迎えられました。

 多くの皆様におかれましても未曾有の大変な状況を経験し、また、乗りきろうとしているさなかであることと思います。生活のため、予防のため、情報収集にかつてないほど力を注いでいるのではないでしょうか。テレビをみたり新聞を読んだりする時間が増えていないでしょうか。このようにして「感染者数」「医療崩壊の現状」につき日々自らの情報を上書きしているのではないでしょうか。

 一方、官公庁が公式に発する情報や政府の審議会情報、国会審議を通じて明らかになることのなかには、テレビ・新聞がまったくといってよいほど報じないものがたくさんあります。まさしく「専門家の見解」に基づき、昨年秋には過剰な対策が見直される観測も多くありましたが、テレビ・新聞の報道姿勢は変わらないまま、この冬を迎えてしまいました。結果的に埋もれていったさまざまな主張を紹介し、メディア自身も多角的な検証・分析を行い、いっそうの議論を喚起し、これらが広く報道されることにより社会全体として「他の選択」が決断できる状況があれば、今ごろはまだマシな以前の幸福が回復できていたものと強く思います。このような独占的立場を「国民に奉仕する」ために用いるのが、本来のマスメディアの役割です。

 市井の一出版社ながら、このことを改めて肝に銘じるとともに、代替的な発信として何ができるのかを考えてまいりました。マスメディアがしてくれないのなら、自分たちでしましょう。常識に照らしておかしいと思ったこと、ちょっとした疑問を感じたことを調べてみましょう。テレビ・新聞以外にも情報はたくさんあります。たくさん集めて、吟味しましょう。考えてみましょう。このような結果得られた自らの判断に基づき、他の人々に迷惑はかけないようにしながら、一人ひとりが自分の行動を決められる社会であってほしいと思います。

 昨年から今年にかけては同様の訝しさを感じる出来事がもう1つありました。今後は少なくとも、小社の社是としてきた「先鋭な対立軸をつくるよりは和と輪で円くおさめたい」とする姿勢だけでは、大きすぎる課題に対処することができなくなったように感じています。「ちょっとトンガった作品」の制作も積極的に視野に入れ、この大変な世の中を皆様とともに乗り越えていきたいです。

 具体的な方向性については、昨年もご案内した壬生真康先生『浅草寺diary 名作散歩で親しむ仏教』の “電子英語版” 刊行とともに、その前後の出版活動を通してご覧いただけるようにしてまいります。本年、倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 2021年1月21日

LogoColorTextBelow合同会社公硯舎
代表社員  竹内拓生