一陽来復・大安の日に-3

 謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。昨年もお世話になり、誠にありがとうございました。例年より1か月ほど遅い更新となっております。
一陽来復
 思いがけない大地震でした。被災された皆様、ご関係の皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。当地ではもちろん目にみえる被害があったわけではありませんが、年初早々の惨状に心身の不調を来してしまった方は全国的におられるものと拝察しています。

 本欄では昨年まで継続して「メディア(主に地上波テレビ)の情報提供があまりにも一面的になっていますよ~!」とお伝えしてまいりました。本「令和6年能登半島地震」を巡っては発災から1月半以上を経過した今、何より優先されるべき復旧の現状について二次避難や復興住宅建設の進捗状況、国・自治体・ボランティアからなる支援状況、能登半島特有となる港湾や志賀原発の修復状況――などなど、いずれをとっても「よく分からない」状況が常態と化してしまったように感じています。官公庁の取組みとこれらについての発信は相応になされていますが、検証・分析がなされない素の情報をそのまま信用できる政治情勢ではありませんし、このような機能を本来的に担うべき 公共放送による誤報 が明白となっており、報じられる事柄のそれぞれがどこまで信頼に値するのか、我々としてどのように検証すべきなのか、すこし途方に暮れてしまう新たな事態が生じているのではないでしょうか。

 2023年末までに山積された課題についても、こと「政治資金問題」以外はすっかり忘れ去られる素地が確立されつつあるように思われます。たとえば 日本、アメリカにパトリオット・ミサイル輸出へ 「防衛装備移転三原則」を改定(2023年12月23日付・BBCニュース)といった事態の進行に気付いている国民がどのくらいおられるのか。つい昨日には「日・ウクライナ経済復興推進会議」が都内・経団連会館で開催されたところですが、これほどの友好関係がいついかにして築かれたのか、わが国の追加的な経済負担はいかほどとなるのか。パレスチナとイスラエル、ワクチンを始めとする感染症対策、実質賃金、健康保険・年金、円安&株高、消費税(付加価値税)の取扱いしかり。わが国だけ突出している対応・状況がないか、頻繁に報じられるG7とも併せて少なくともBRICS諸国の対応などとも比べた場合に明白になってくるものがあります。

 上記「パトリオット・ミサイル輸出へ」は本邦メディアでない報道機関の一つの情報としてのみ掲げました。もとより本記事についても検証は必要です。2021年に申し上げたことをここに繰り返して掲げておきたいと思います。「常識に照らしておかしいと思ったこと、ちょっとした疑問を感じたことを調べてみましょう。テレビ・新聞以外にも情報はたくさんあります。たくさん集めて、吟味しましょう。考えてみましょう。このような結果得られた自らの判断に基づき、他の人々に迷惑はかけないようにしながら、一人ひとりが自分の行動を決められる社会であってほしいと思います」――素朴な疑問や小さな違和感を大切にして、自ら調べる、自ら考えてみるようにいたしましょう。ただし「事実」に至ることは昨年までよりもむずかしいように体感しており、調べた結果に基づいて「仮想事実のようなものを複数持ち合わせる」ようにしながら「決め打ちではない複数の視座・対応を心掛ける」ようにしておくことが次善の策となってくるものと考えております。

 小社独自にお伝えしてまいりたいこと――継続してご案内している壬生真康先生『浅草寺diary 名作散歩で親しむ仏教』“電子英語版” の刊行を始めとする出版活動によりご覧いただけるようにしたい旨、今となっては貴重な一出版メディアの使命とも感じるようになっております。本年が昇龍の転機となることを心から願いますとともに、皆様には変わりませずご指導・ご鞭撻を頂戴いたしますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 2024年2月20日

LogoColorTextBelow合同会社公硯舎
代表社員  竹内拓生